創造すること 2
19世紀後半では、旅行代理業というのは超最新商売であったことは間違いありません。
この商品がホテルや鉄道会社のような金儲けを動機とするものからではなく、ただ日曜学校の行事を盛んにしたいという一人の牧師の理念から誕生したことを忘れるべきではありません。
また20世紀のはじめ、アメリカではヘンリ・フォード1世が、大衆車T型フォードを大量生産方式で大量生産し、自動車王国アメリカの基礎を築いました。
フォード1世の企業哲学は、およそ資本の論理とはかけ離れた理念に支えられていました。
たとえば、農家に生まれたヘンリi・フォードが考えたことは、農作業につきものの重い労働から農民を解放すること。
また大量生産によって自動車のコスト・ダウンをはかり、安い価格で自動車を供給すれば、金持ちの上流階級だけしか手に入れることができなかった自動車が、多くの一般大衆のものになるというものでした。
フォードが信奉した標語に「プライス・メイクス・ザ・マーケット」というのがあります。
この意味するところは、大量生産によるコスト・ダウンで、大量の自動車を低価格で提供すれば、売れるということ。
フォードは大量生産方式を採用する際に、労働者に対する賃金を大幅に引き上げた。
もちろんこれは労働能率を高める代償でもありましたが、同時にフォード社の従業員にも自動車が購入できる所得を保証する試みでもありました。
このようにフォードの自動車哲学は、単なる金儲けにあったのではなく、農民の労働軽減であり、また富める階級のための奢修品としてではなく、一般大衆のための実用品としての自動車を提供することなどにあったのです。
これらのことから新しい消費・需要あるいは製品・商品を創造し、開発していくには、つねに新しい理念が必要であることがわかります。
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